ママ、頑張ったよ。

うちの自閉症の息子ちゃん2歳9ヶ月。療育を始めて一年が経った。
いつも療育エージェンシーでのセラピーの後は、「息子ちゃん頑張った?」「頑張ったねー」と言っていたのだが、前回いつも通りそのように褒めていると、「頑張ったよー」と息子ちゃんが言った。
こちらが言っているので、エコラリア的なことで言っているのかな、と思っていたのだが、今日の家庭での療育の後に、自分から、「ママー、頑張ったよー」と妻のところに走って行った。
これは感動したね。凄く嬉しかった。
凄い嬉しかったのだけど、なんでこんなに嬉しいのか自分でもすぐには理由がわからなかった。

嬉しい理由を考えてみると、息子ちゃんから、「人と人のコミュニケーション」をはじめて感じ取れたからなんだな、とわかった。

これまでだって、「あ、電車ー!」とか、「あまーい」とか「これおいしい」とか「ジュースをちょうだい」とか、発語は出てきてたんだよ。教えてるしね。
でも、「ママ、頑張ったよー」っていうのって、頑張るっていう抽象概念を理解して、それを褒めてくれっていう要求だよね。これは「あまい」とか「ちょうだい」とかそういう単純なのとはちょっと違うし、なんというか、凄い普通の子みたいというか、その当たり前の人と人のやりとりみたいのを感じられて感無量になったんだなと思う。

まだまだ、今後集団指導をどう受けるかとか、下の娘ちゃんのこととか、悩ましいことは続いて行く。
でも、もし過去に戻れるとしても、娘の誕生よりも前に戻る気はしない。
妻と子供たちのいない生活は考えられない。
今はちょっと大変だけど、渦中にいると大変さに飲み込まれてしまいそうだけど、妻と支え合って子供たちの笑顔に励まされて、どうにかこうにかやっている今の生活は、きっと後から考えれば一番幸せな時間に違いない。