自閉症療育生活 その1

息子は自閉症だ。

自閉症って聞くと、読んで字のごとく自らに閉じこもって無反応な子供を想像するかもしれないが、そんな感じではない。

自閉症っては最近は自閉症スペクトラム障害(ASD)と呼ばれていて、正常から最重度のカナー型自閉症へと明確な境界はなくスペクトラム状にひと続きの障害を示す一群として扱われている。

カナー型ってのが、普通の人が想像しやすい最重度で典型的な自閉症のことだ。

うちの子は比較的軽度な部類なのだろうが、今のところの診断名は表出性言語遅滞と診断されている。言葉の理解はまずまずだが、自発言語が少ないってことだ。診断名は年齢が上がると変わる可能性がある。例えば高機能自閉症とかね。

うちの子は今2歳8ヶ月。

乳児の頃から目が合わず、物を目で追う様子もなく、普通の子供に比べると笑うことも少なかったが、手のかからない楽な子だった。

私は男で、乳児と関わった経験はなかったので、こんなものなのかな、と思っていたのだが、妻は早々に発達障害を疑っていた。

発達障害っていうのは、まぁ自閉症と同じだと思っていいと思います。おそらく今後使われなくなっていく用語だと思います。

妻から再三、普通でないかもしれないと言われたが、私はまぁこんなもんだろ、と思って当初聞く耳を持ちませんでした。

1歳半健診で何か言われたら考えればいいじゃん、と思っていました。

後から考えるとこの考えは、とんでもない間違いでした。1歳半健診は身体的な発育の異常は漏らさず見つけられると思いますが、自閉症に関してはまだまだ医者・看護士・臨床心理士などの医療者側の認識が低く、「もう少し様子を見ましょう」で済まされます。様子を見るというのは何もしないということと同じであり、二度と取り返しのきかない貴重な時間を無に帰してしまいます。子供を守れるのは親しかいません。親が自分で調べて勉強してその時点で最善な対処をしてあげるしかないのです。医療者は頼りになりません。自閉症に関しては無知な人の方が多いです。

で、何がきっかけで私自身が息子の異常に関して向き合えたかというと、それは自分自身の親、息子から見ると祖父母の指摘です。

ある日、父からまじめな声で電話がかかってきました。「お前だけでいいから実家に帰って来い。大事な話があるから。」といわれたのです。私は妻から再三息子が発達障害かもしれないと言われていたので、すぐにそのことだとわかりました。その電話で、「もしかして、息子が発達障害かもしれないってこと?」と聞くと、「そうだ。」と言われました。

私には姉がおり、いとこもたくさんおりますが、両親が言うには、「今までみてきたどの子供とも決定的に違う。おかしい。」ということでした。

自分の両親からそこまで言われたことで、ようやく息子の異常に向き合った私は自閉症に関してwebや本で調べだします。

 

 

つづく

 

私は医療者ではありませんので、用語の使い方等に正確でないところがあるかもしれません。ご了承ください。ご指摘いただければ訂正いたします。